- 2016年2月19日
があさんぽ 話題の春画展でエロティシズムとアートの境を感じる
昨年9月から12月にかけて、東京・文京区の永青文庫で開催され大盛況だった日本初の「春画展」が、2月6日から京都・細見美術……
“言葉がなくても楽しめる。言葉がないからおもしろい”
京都・河原町駅から北へ徒歩8分。ART COMPLEX 1928という小劇場があります。
かつては新聞社の講堂だったこの場所は、演劇や講演会、絵画などアート作品の展示など幅広く利用されているのですが、今年(2012年)の4月からその劇場で興味深い作品がロングラン公演されています。
『ギア ~GEAR~』はマイム、ブレイクダンス、マジック、ジャグリングの分野から、超絶パフォーマーが集結し創り上げた、日本オリジナルの「ノンバーバル(=非言語)・パフォーマンス」作品。
海外では『ブルーマン』や韓国の『ナンタ』などが有名ですが、言葉を使用せずに物語を展開する新しいタイプの舞台公演。“日本発!日本初!”のこの試み、体験せずにはいられないということで、仕事を終えて一路京都に向かったのでした。
ART COMPLEX 1928がある1928ビルは、レトロな外観が素敵な洋館。
夜になると、柔らかな光で彩られ、見た目にも美しい建物です。
元々は毎日新聞社の支局ビルでしたが、現在は地下がカフェ、1階はギャラリー、2階はレストランとして営業されています。そして、今回紹介する「ギア」は3階でのホールで公演を行っています。
3階に上がると、小野不由美さん『十二国記』、宮部みゆきさん『ドリームバスター』などのイラストで有名な京都在住のイラストレーター・山田章博さんが描いたイメージポスターがお出迎え。
実際に公演を観られて描かれた5人のイメージイラストに気持ちが否応なく盛り上がります。
ひと一人が通れる位の階段を登ると、100席の座席の目の前に古びた工場が広がります。
どんな舞台が始まるのか、ドキドキとしながら席に着くと、しばらくして大きな警報音とともに物語が始まりました。
物語の舞台は古びたおもちゃ工場。
倒産により見捨てられたその工場には、作業を続ける人間型ロボット「ロボロイド」が今日も作業を続けていた。
4体のロボロイドの目の前に突然現れた人形「ドール」
ドールはロボロイドとふれ合い、遊んでいる中で、感情を獲得し徐々に人間に近づいていく……
おもちゃ工場で動き続けるロボロイドは、ドールとふれあう事によって「感情」を獲得します。そしてドールと遊び始めるのですが、その遊びを表現するのが、ロボロイドを演じるパフォーマーそれぞれが持つ素晴らしいパフォーマンス。
空間が歪んでしまうかと思ってしまう“赤”のパントマイム、ギアの回転をも上回り風を起こす“黄”のブレイクダンス、傍観者のはずの観客をも巻き込んでしまう“青”のマジック、変幻自在にディアボロを操り緊張と感嘆をもたらす“緑”のジャグリング。
そして、4人のパフォーマーに負けないドールの可憐さに、いつの間にか舞台から目をはなせなくなってしまいます。
プロジェクションマッピングを用いた映像表現や、観客までもが飛ばされそうな強い風などの強烈な舞台演出も相まって、70分間の上演時間はあっという間。
この日の会場には高校生から、ご高齢の方までいましたが、年齢や性別、国籍や言葉の壁を超えて楽しむことができるエンターテイメントショーだと感じました。
京都と言うと、神社仏閣、舞妓さんや京料理、伝統的な文化や風景を目指して観光に訪れる方が多いかと思います。
もちろん、それはその都市を訪れていただく素敵なきっかけではあるのですが、都市の魅力はもっと深く、広く様々な出来事で感じてもらえるのが良いなと私は思っています。
“震災後の西日本を元気にする、大人も子どもも外国人も楽しめる新たな文化・観光コンテンツを、京都から発信していく”という意気込みをもったこの公演が、京都、日本を訪れた方に何かを持ち帰ってもらえる素敵なコンテンツに成長することを期待しています。
現在の公演は11月末まで。
一般料金は3,800円ですが、25歳以下・60歳以上の割引やファミリー割引や誕生日割引など色々な割引を用意されているようです。
子どもでも充分に楽しむことができる公演だと思います。私も機会を見つけて娘を連れてもう一度は観たいと思っていますので、興味を持った方はぜひ一度観に行ってみて下さい。
ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』
◆公式ホームページ
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